脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第45話】歩けなくなった福永さん

 数時間で終わると言われた手術で10時間以上待たされた家族。その間、病院からは何の説明もなかった。術後、竹田くんが家族に説明する。「硬膜から神経がドバッと出てしまい、それを戻すのに時間がかかってしまいました。」と。

 福永さんを竹田くんの手技向上のための練習台として利用した結果、福永さんは歩行困難と膀胱直腸障害と神経障害性疼痛の3重苦となった。その激しい痛みは、貝山さんを襲ったのと同じ痛みである。

 だが、竹田くんなりに精一杯説明を行った結果、家族は弁護士を立てたり賠償請求をする様子はいまのところ無かった。竹田くんは九死に一生を得た。

 だが、問題は上層部がこの時点に及んでも、脳外チームの暴走を止めなかった事だ。事態は破局へと突き進んでゆく。

 

更新履歴 06/03 21:07 2コマと4コマ変更。竹田くんの説明は竹田くんなりには誠実であったが、実際はウソが含まれていた事を臭わせる内容に。家族が騙されている前提で、請求する気配が無かった事。

 

記載内容の変更に至った作者の心情・・・謝罪シーンについて作者は竹田くんに感情移入しており事故後の説明において『彼なりに』誠実に対応をしたかのような内容になっていた。『彼なりに』というのはもちろん竹田くん基準なので患者的にはウソまみれである。第一部全体について言えることだが、かなり竹田くんに感情移入して描いており、彼の患者に対する不誠実さを大目に見ている。漫画の中心人物だからついつい愛着が芽生えてしまうし、竹田くんのみが悪いのか?という感情も描いている際に強かった。そこから脱して若干、患者の視点寄りとなったページに変更。