脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【第55話】3月25日

市民病院 3月25日、竹田くんの患者に対して、古荒医師による手術。脳室腹腔シャント術。1月15日に竹田くんが医療事故を起こしている術式だ。 術中、竹田くんは茶々をいれまくり古荒医師がキレて「好きにやれば」と竹田くんに執刀をまかせる。これは手…

【第54話】手術禁止命令

医療安全推進室の森中と杉下は、ここにきてようやく「世間にバレたら私たちがヤバくなる」と危機感を持ち始める。 院長に竹田くんを手術禁止にするよう直談判。院長は事の重大性に蒼白となる。噂には聞いていたがここまで酷いとは・・・。 院長は古荒医師を…

【第53話】血の海

市民病院 古荒医師は「竹田くんが女性患者を殺した。」という見解だった。 竹田医師のカテーテル手技は迷いなく思いっきり突き刺す。それは、臨床工学技士が指摘していたとおり、殺人行為にも等しかった。 術野は血の海となり、手術室は騒然となった。

【第52話】医療安全機能せず

市民病院 医療安全推進室では、元看護師の2人が頭を悩ましていた。「もし、このような連続医療事故が公になることがあれば、わたしたちに責任が押し付けられるかもしれない」と。 冬国さんの手術から1週間後、竹田くんはカテーテル手術を行った。臨床工学…

【第51話】看護師が疲弊してます!

市民病院 医療事故が多発しても問題にならない病院でも、医療事故の後遺症患者が増えてくると問題になる。世話をする看護師たちが疲弊するからだ。医師の失敗の尻拭いをさせられていると不満を募らせた看護師たち。彼らの中の何人かは、最後に残った医療事故…

【第50話】家族の怒り

市民病院 竹田くんに脳を削られ過ぎて、現世の人々との通信手段を失ってしまった冬国さん。それは昏睡という言葉で表現されるような生易しい状態では無かった。

【第49話】削りすぎた竹田くん

竹田くんは昨年7月の二の舞にならないように、きっちり腫瘍を削り取ろうと頑張る。その結果・・・脳の生命維持に必要な部位まで削り取ってしまった! さらに、採用前から分かっていた事だが、ここでも止血が出来ない竹田くんの弱点が惨事を引き起こした。冬…

【第48話】ぜひ僕に執刀を!

冬国さんはもともと古荒医師の患者だった。竹田くんが執刀を熱望したため、採用時の男の約束が履行された。 冬国さんは、脳腫瘍摘出術を施されるのだが、そもそも竹田くんは、昨年7月の手術で腫瘍の8割が取り切れず手術に失敗している。古荒医師は不安だっ…

【第47話】地獄の扉

市民病院 その日はまるで地獄が現世に侵攻してきたようなそんな雰囲気の漂う日だった。 市民病院の外観はまるでベックリンの絵画「死の島」のようだ。 今日再び、手術室の扉が開く。それはもはや手術室の扉ではない。地獄に通じる扉である。今日、この扉を入…

【第46話】「恕」の裏の意味

市民病院 竹田くんに手術をさせればさせるほど、犠牲者は増えていた。 ところで赤池市民病院の廊下には「恕」という文字がペタペタと貼ってある。 普通の病院であれば、患者へのおもいやりをアピールする宣伝文句となる用語である。だが、赤池市民病院の場合…

【第45話】歩けなくなった福永さん

数時間で終わると言われた手術で10時間以上待たされた家族。その間、病院からは何の説明もなかった。術後、竹田くんが家族に説明する。「硬膜から神経がドバッと出てしまい、それを戻すのに時間がかかってしまいました。」と。 福永さんを竹田くんの手技向…