脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第33話】80代男性

 年末のクリスマスシーズンがやってきた。

 その日は吹雪だった。今日の手術は80代男性。竹田くんの因縁の首の手術である。

 古荒医師は思い出す。2か月前に貝山さんの頚椎をドリルで貫通させて四肢麻痺にした一件は悪夢だったと。あの二の舞は避けたい。

 だが手術を止めると竹田くんはプンプンする。彼との仲が険悪になるのは嫌だ。

 「まあ、今回は前方除圧術なので前回よりも慎重にやってもらおう。(貝山さんは後方除圧術)」と考える古荒医師。その自分自身の姿を引いて眺めて、ゴクリと唾を飲むもう一人の自分。

 

更新履歴 06/03 11:05 4コマ目 『連ちゃんパパ』感の排除 より現実味のある内面描写

セリフ変更に至った作者の心境変化・・・事故が短期間に連続する流れは連ちゃんパパそのものだが、登場人物の科長の心境はもっと真面目なものであった方がリアルかもしれないと思い直して『連ちゃんパパ』感を薄めた。今後、この漫画がある種の教訓として語り継がれてゆくために必要な修正。