脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第135話】患者への説明責任

記者会見で、副院長は「医療事故に遭った患者へ説明したと思う」と回答した。
会見後に地元A社が取材を進めると、病院から何ら連絡がなく、会見後に自ら病院に電話する事で家族が医療事故の患者と判明した人がいる事がわかった。
改めて病院に問うと、「手術後に(執刀医らが)症状の説明は行った。病院から医療事故の件で連絡する事は無い」との回答。

そうであるなら、貝山さんは医療事故に遭った事実をどうやって知り得るのだろう?


会見ではその他にもいくつか方針が発表された。大半の市民はそれが実行されると疑わなかった。だが、何ら実行されなくても市民の信頼を取り戻せるのが記者会見の効果だろう。


院内の多くの人々は外部から批判される事に慣れていない。つねに賞賛される地位にあったからだ。院内では苛立ちが渦巻いていた。