脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第130話】記者会見①「貝山さん」

院長以下3名は、記者会見の主役であるが、「過誤は1件のみ」と決定した会議の参加者でもある。つまり事故検証における当事者だ。会見がはじまると、院長ではなく、副院長と事務局長が連携して記者への回答を行った。


まず貝山さんの事故だが、外部検証結果で「ありえない」という文言が使われ、脳外科自身の検証でも「過って損傷」と表記されている。だが市民病院は「手術の順序が過っていないから過誤ではない」という回答を行った。
執刀医の食い違いについても、「病院はどちらが執刀したかわからない。誰が執刀したにせよ過誤ではない」という内容の回答。


これらは学会が医療安全からの提出資料などで把握していた事実と食い違っていた。市民病院は学会の把握内容と違う説明を始めてしまったのだ。