脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第21話】医療安全かるた


 赤池市民病院では職員教育用に『医療安全かるた』を作っていた。だが、現実の医療安全推進室の運用は、再雇用された元看護師や現場を離れた看護師長がのんびりとくつろぐ部屋となっていた。

 前の職場(京都の病院)では、浅尾医師が竹田くんに「お前は未熟だ」「執刀は俺が許さん。」と厳命し、患者の安全担保がなによりも優先されていた。

 だが、赤池市民病院は、病院の保身優先のため重大な医療事故でも公表される事はない。竹田くんは「手術の腕を磨くには最適の病院だ。」と思う。まさに、竹田くんにピッタリの病院なのだ。