転落事故の後、すぐに竹田くんは市民病院の医師の元に駆けて行き、「古荒先生に突き落とされたってカルテに書いてください!」と頼み込んだ。
竹田くんの待ちに待った好機が巡って来た。
今までは医療事故多発事件の加害者のような扱いの日陰の身だったが、今後は堂々と被害者だと主張できる。そして、ゆくゆくは脳外科の科長の地位さえ見えてきたのだ。
策士の竹田くんだけが、そのための交渉カードを全て握っている事を知っていた。
手術解禁はおろか、科長の地位を狙えるほどのビッグチャンス!竹田くんは野心に燃え始める。