脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

【第29話】科長 古荒さん

 竹田くんに手術技量が無い事はわかっていた。

 京都の浅尾先生は竹田くんに執刀させなかったし、富士院長も直接京都を訪れて止血ができないので外科医として使えない事を確認済みである。

 古荒医師は一人前にするため育てるつもりだった。竹田くんは、手術事故以外にも、通常の医師としての仕事においてもトラブルばかり起こしている。まさにクレームの嵐である。

 竹田くんになぜ執刀させ続けたのだろう?

 「性善説を信条にすれば自然と良い方向に道は開ける」という考えが古荒先生の信条だった。(周囲から見ると)2人の関係は父子の関係に似ていた。

 

更新履歴: 06/03 10:37 全体的に見直し。前半部の修正の反映や、第一部と第二部の物語的な整合性を整えるための改変。